テレワークを始めとする労働環境の多様化や働き方改革が推進される中、在宅での仕事が注目を集めています。
ICT(情報通信技術)を利用しながらの在宅の仕事は、働き方改革でも推進されるようになりました。また時間的・空間的自由を求めて、在宅での仕事を選択する人も増えています。
注目が高まる一方で、在宅での仕事の実態や仕事の進め方などの情報が得にくいことも事実です。そこで今回は、在宅での仕事とは一体どのようなものなのか、種類や特徴、仕事選びのポイントなどをご紹介します。
目次
在宅でできる仕事とは
在宅でできる仕事とは、どのような業務を指すのでしょうか。実際の定義や在宅での仕事を導入している企業、案件獲得の方法などをご紹介していきます。
在宅で可能な仕事の定義とは
テレワークや在宅ワークなど、ICTを利用して自宅でできる可能な仕事を指します。時間や場所を選ばない柔軟な働き方に対応していることから、働き方が多様化する現代で本業としてだけでなく、副業や兼業で検討する人が増えつつあります。
働き方改革に代表される日本政府の業務推進案では、テレワーク普及関連事業が全面に押し出されるなど、国を挙げての事業となりつつあります。業務を推進するために関連法案が整備されるなど、急務な政策となっています。
企業に所属しながら在宅での仕事を選択する形態、事業主として自宅を拠点にする形態など、事業形態は大きく2つに分類されるでしょう。自身のスキルや職種の選択によって、同じ在宅での仕事でも仕事の獲得方法や業務の遂行に違いが生まれます。
リモートワークを導入する企業が増えている
政府による政策推進を受けて、テレワークなどを利用するリモートワーク形態が急速に浸透しています。多くの企業が、設備の導入やワークフローの変更を行い、来たる時流に備えるようになりました。
統計※1によれば、令和元年に3割程度に落ち着いていたテレワークの導入実態が、令和2年、コロナウィルスの影響もあり6割にまで上昇しています。継続を希望する事業者も多く、テレワークを始めとしたリモートワークの需要はますます高まるでしょう。企業での導入が増えれば、それだけ対応する人材の登場が求められます。労働市場においてもテレワークへの関心は高まりを見せるでしょう。
クラウドソーシングなどのプラットフォームが増加
クラウドソーシングとは、クライアントとワーカーをインターネット上でつなぐサービスです。オンラインでマッチングを行い、依頼者の発注と製品の納入をサポートする仕組みです。多くの在宅労働者やフリーランスには案件獲得に課題があります。企業勤めであれば営業部が担う仕事の獲得を、自分自身で考えていかなくてはなりません。
政府によって業務支援サービスの拡充が求められている現状から、クラウドソーシングサービスは急速な進展を見せています。
在宅での仕事を選ぶメリットとは
在宅の仕事を選ぶメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。在宅の仕事に興味があっても、初めて検討する人にとっては、どのような働き方をするのか知っておきたいポイントになるでしょう。ここでは3つのメリットについて解説します。
通勤の負担がない
日本人の通勤時間は平均して1時間強といわれています。平日のみの勤務であるとしても、1年間で約250時間もの長さになるのです。こうした通勤による負担を在宅での仕事で削減することができます。住む場所を問わないため、たとえ地方在住であっても都心の企業に就職・業務依頼を受ける、ということが可能です。
人口の二極化が進む日本において、住む地域により就労への差を生まないという観点は常に求められています。業務上の負担軽減だけでなく、政治経済の面で見ても在宅での仕事は理にかなっているといえるでしょう。
仕事以外の時間を大切にできる
日本人の平均労働時間は一日約9時間です。また、平均睡眠時間は約6時間と言われています。ここに通勤の1時間が重なれば、1日のうちで自由に使える時間はおよそ「8時間」です。食事・家事・趣味など時間の用途は様々ですが、多くの場合一番の負担は家事です。家事の平均時間は一日2時間ですから、6時間、つまり一日のうち本当に自由といえる時間は24時間中でその4分の1しかありません。
趣味の時間や家族との時間を大切にしたいと考え、在宅での仕事を選択するケースの多さがうなずけます。より柔軟なワークフローを組み立てられる在宅での環境が、仕事以外の時間をより文化的にすごす役目を買っているのです。
人間関係に悩みづらい
正社員における退職理由について、調査※2によると、正社員の約3割が人間関係の問題であることが示されました。企業への就職が一般的な日本社会において、最大のデメリットは、上司や部下、同僚といった人員を含め、働く環境を選べないことといえるでしょう。
在宅での仕事は基本的に最小限のやり取りで情報の共有がなされます。価値観が合わない人に長時間拘束される、業務以外での付き合いを強制される、こうした問題を小さくできるのが在宅での仕事の強みといえるでしょう。
※2 若年者の離職状況と離職後のキャリア形成/(独)労働政策研究・研修機構
在宅での仕事にはどんな種類があるのか

在宅の仕事にはどのような種類があるのでしょうか。まずは、さまざまな仕事を知ることから始めて、自分に適した仕事を選ぶと、今後の案件獲得についてのビジョンが組み立てられます。ここでは、在宅の仕事の種類をご紹介します。
イラストレーター
雑誌、ポスター、広告、ゲーム、商品パッケージなどに使われるイラストをクライアントの要望に沿って作成する仕事です。業務は、主にPCで「Photoshop」「Illustrator」などを活用して制作します。ソフトを利用するための知識やスキルは必須条件といえます。イラスト制作会社など勤務して実績を積んだ後に独立する、という道も多く開かれています。
動画編集者
ゲーム、広告、映画、動画投稿サイトのコンテンツなどを、クライアントの指示に従って作成する仕事です。主にPCでの業務となり、使用されるソフトは「Premiere Pro」が一般的です。ソフトを利用するための知識やスキルは必須条件といえます。データを編集する場合が一般的ですが、撮影から編集までを行う場合も多く、カメラの取扱いに精通していることを求められる場合があります。
WEBライター
WEBメディア、ランディングページ、商品紹介文、台本作成など、クライアントの指示に従って文章を作成する仕事です。未経験でスキルがなくても始めやすい在宅での仕事の1つです。しかし、未経験者で始めやすい一方で、低単価な案件がほとんどを占めます。高単価の案件を獲得するためには、単価の低いものから地道に実績を積んでいくことが望ましいです。
システムエンジニア
クライアントの要望に合わせてシステム設計を行い、プログラマーへ指示を行う仕事です。クライアントの要求を実現することに多くのリソースが割かれるため、綿密な連携が求められます。予算管理や進捗管理など、マネジメントの能力が求められる一方で、エンジニアとしての技術的な知識も求められます。未経験者でもスキルがあれば、実績を積み上げていくことが可能です。
経理事務
経費や掛け金の管理、入出金のフロー管理、経理システムの運用など企業の財務管理を担当する仕事です。月次の試算報告や決算業務など、簿記会計・税制への知識も求められます。
実際には、Word・Excel以外に経理ソフトや表計算ソフトの利用ができれば、未経験から始めることが可能です。しかし、有価証券報告書の作成や決算業務など仕事の内容によっては、経理の経験または簿記の資格が必要となる場合があります。
在宅での仕事はどのように案件を獲得するのか
在宅での仕事を始めるにあたって、案件はどのように獲得したらいいのでしょうか。案件の獲得や安定した量を確保しなければいけませんから、ぜひ押さえておきたいポイントです。ここでは案件獲得しやすい2つの方法をご紹介します。
クラウドソーシングを活用する
クラウドソーシングとは、クライアントとワーカーをインターネット上でつなぐサービスです。オンラインでマッチングを行い、依頼者の発注に合わせた実務や製品の納入をサポートする仕組みです。請け負ってすぐ業務に入るものから、採用の前にクライアントへポートフォリオを提示したり、トライアルを受ける場合があります。
未経験者に可能な案件もありますから、スキルを磨きながら実績を積んでいきたいと考える人でも挑戦できることが特徴です。
知人や過去の取引先からの紹介
在会社員時代に身に付けた知識やスキルをそのまま使って在宅の仕事を探したい人は、会社員時代に培った人脈や実績を活かして案件を獲得する可能性があります。
また、同業者同士のコミュニティを利用する手段も有用です。オンラインサロンやビジネスコミュニティで人脈を構築しておけば、仕事を紹介し合うということもできるでしょう。
在宅での仕事を選ぶポイントとは
在宅での仕事を選ぶ際に、どのようなことに気を付けるべきでしょうか。在宅での仕事を始めるにあたっては、現在の収入や労働環境を踏まえ、適切な選択をすることが求められています。無暗に在宅環境の自由さを理由とせずに、筋道を付けていきましょう。
自らのスキルを活かせるか
専門性の高い職業や、長年の職務により培われた技術などは、クライアントから高く評価されます。グラフィックデザイン、プログラミング、映像構図など特定の分野に精通している場合、そうした技術・知識を有用に活かせるかどうか検討すべきでしょう。経験者であればクライアントの信頼も得られ、業務単価も高くなります。在宅での仕事を選ぶ際はスキルを活かせる業種から選びましょう。
安定した収入が見込めそうか
一般的な会社員と違い、在宅での仕事には収入面の不安がつきものです。特にフリーランスの場合、高単価で安定した案件そのものが少ない場合があります。いきなり高単価を狙うというよりは、継続してできる案件を選ぶことで安定した収入が見込めます。
また、病気やケガにより働けなくなった場合でも所得補償される保険へ加入すれば、万が一の場合も収入は途絶えません。フリーランスは自分で仕事時間や量を調整しやすいですが、長時間にわたって業務をしてしまうことも考えられます。自己管理や納品までのスケジュール管理を徹底しながら、保険に加入することで安定した収入を見込めるでしょう。
本業に支障がないか
副業として在宅業務を選択するケースが増えています。アルバイトや派遣は短時間であっても時間や場所の融通が効かない場合があり、望んだ時間に働けない場合もあります。
働く時間を調整することのできる在宅業務であれば、本業の時間と完全に分けて管理することが可能です。
しかし、オーバーワークになりやすく、本業に支障が出てしまうと本末転倒です。本業とのバランスを図りながら細く長く続けるつもりで在宅の仕事をするよう心がけましょう。
在宅での仕事を支援するサービス3選
在宅での仕事を支援してくれるサービスには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、幅広い案件から選べるサービスと在宅を機に転職を考える人のためのサイトから厳選し3つをご紹介します。
リモート案件に特化【リモートビズ】
リモートビズは、リモートで働くエンジニア、デザイナー等のリモートワーク専門のエージェントです。在宅での仕事に特化した案件の紹介を受けられ、働き方の要望も取り入れた交渉が可能です。
紹介される案件のほとんどが直案件となっており、高単価が期待できます。また、実働時間に合わせた報酬が支払われるので、働きに見合った収入を得ることができるでしょう。
転職実績No.1【リクルートエージェント】
リクルートエージェントは転職支援のポータルサービスです。転職成功実績は累計32万人に上り、業界でも最大手の転職エージェントです。また、専門のアドバイザーによるキャリア支援を行っており、年間23,000人以上の転職者を送り出しています。
在宅での仕事を始めるにあたって、または在宅の仕事を本業にしたいと考えるケースもあり、転職に迷う段階から相談をすることが可能です。10万件を超える非公開求人がありますから、自分で探す以上に多くの転職先を検討することができるのです。
【FREENANCE】で在宅での仕事に保険をかける
業務への保険は、もしもの時のビジネスリスクを回避するために有用です。フリーランスの場合、業務中に起きた過失やPL責任などにより賠償金を支払う場合は、全て自己責任となります。こうしたビジネスリスクを、FREENANCEを使うことで回避できます。
FREENNCEのあんしん補償プランは、以下の通りです。
「業務遂行中の事故やPL責任に最高5,000万円の補償」
「情報漏洩や納品物の欠陥による賠償も最高500万円まで補償」
この保険は無料で加入できますから検討してみてはいかがでしょうか。
最後に
在宅での仕事は、ICTを活用した自宅で完結する業務です。働き方改革でテレワークの推進が進んでいるほか、コロナウィルスの影響もあり、在宅での仕事を選ぶ人が増えています。
在宅での仕事を選択する場合は、どのような職種があるのか、どんなスキルや知識が必要なのか、どのように案件を獲得していくかなど、考慮すべき観点が多くあります。そうした点を一つずつ解消しいていくために、在宅ワーカーを支援するサービスを活用していきましょう。