情報通信技術の発展にともない、グローバル化が進んだ現代社会では日本国内にいながらも英語のスキルが求められることが多くなりました。

急激な成長速度で注目されているITの分野を例にとっても、ハードウェアやソフトウェアのマニュアル・仕様書などは、日本語に対応していないものが多数存在します。

そのため、現代社会では翻訳業務の需要が高まっているといわれます。しかし、翻訳業務は一定水準以上のスキルが必要とされます。翻訳を仕事にするのは厳しいと考える方が多いのも事実です。

今回は翻訳業務、未経験者が「翻訳バイト」を在宅で実施するにあたり必要なことを解説します。

在宅ワークが可能な翻訳バイトの主な仕事内容

「翻訳バイト」と一言で表現されますが、実は「翻訳対象」によって複数の種類が存在します。また、種類によって業務達成時獲得できる収入の相場にも違いがあります。翻訳バイトで、より多くの収入を手にするためには「翻訳の種類・収入」を知ること、「必要なスキル」を知ることが重要になります。

まずは、翻訳バイトを選択するうえで必要となる、翻訳の種類や特徴について解説します。

出版翻訳

出版翻訳は海外の小説やビジネス書、雑誌などを翻訳することが仕事内容となります。

日本でも有名な、スティーブン・R・コヴィー氏によって書かれた「7つの習慣」やスペンサー・ジョンソ氏の「チーズはどこに消えた?」なども、元は海外で出版され、出版翻訳により日本語版が作成された書籍です。

高い外国語スキル・感受性に優れた日本語の表現が求められることから、出版翻訳の業務を始める際には、トライアルを求められることが多いようです。もちろん実績が必要となるケースがあります。

未経験者が出版翻訳を目指すのであれば、下訳、レーディングなどによって、経験値を高める期間が必要になるでしょう。

専門知識が必要な産業翻訳

別名、実務翻訳とも呼ばれている産業翻訳では工業、金融、IT、特許、法律、医療といった専門性が高い分野の翻訳を行います。専門性が高いため、英語力に加え対象のジャンルに対する専門知識が必要となります。

最新の情勢・背景を踏まえた上での翻訳が必要になる場合もあるため、リサーチ能力やPCを扱うスキルも必要になります。

あらゆる業界でニーズがあるため、自身が経験したことがあるカテゴリーを見つけることができれば、専門的知識という部分では優位性を確保することができます。また、需要が高い分野のため、経験を積みスキルがあがることで高単価を目指すことも可能となります。

映像翻訳

翻訳の中でも人気が高いのが映像翻訳です。「映像」というキーワードからも予想できる通り、映画やテレビ番組の翻訳を行う仕事です。海外映画やドラマを見る際に、表示することが可能な日本語字幕は映像翻訳です。

メジャーな部分を例にあげると大手動画配信サービスの「Netflix」の翻訳も映像翻訳というカテゴリーに含まれます。

なお、映像翻訳は字幕として表示させるという、性質上翻訳後の文字数に制限があります。そのため、限られた文字数英語で表現するスキルが必要になります。

未経験でも始めやすい

海外のブログ・レシピ、ニュースなどの翻訳は未経験者への募集も多く、ハードルが低めに設定されていいる傾向にあります。漫画やゲームの翻訳も同様です。

翻訳バイトを始めた直後は、経験を積むことが重要です。経験をアピールすることができれば、翻訳業務の幅も広がります。そのため、未経験者でもはじめやすいというメリットを活用し、未経験者に対しても募集が多い翻訳業務から挑戦することが成功の鍵となります。

これらの翻訳バイトは、未経験者でも取り組みやすいという反面、文字単価が低いというデメリットがあります。経験を積み最終的には単価が高いカテゴリーへステップアップを目指す、という形がいいでしょう。

翻訳バイトを在宅でするメリットとは?

在宅で実施できる翻訳バイトには、3つのメリットがあります。

在宅による翻訳バイトを、始めたばかりでは、慣れない業務に辛さを感じてしまう方も多いようです。そのため経験を積みスキルが向上する前に、辞めてしまう方もいます。

翻訳バイトは単価もいいので、そうならないためにメリットについて知っておきましょう。

自宅で自分のペースで仕事ができる

自宅で作業を行うことができるため、自分のペースで作業を行うことができます。翻訳業務の中には、実際に出社して翻訳を行う企業も存在します。

出社して業務を行う場合、周りのスピードと比較し焦りを感じてしまう場合もあります。一方で、自宅で作業をし、早く翻訳作業を進めることができれば、その分、多くの文章の翻訳を行えます。つまり自分のスピード次第で収入を変化させることができます。

他の在宅ワークと比べ給与待遇がよく単価も高い

他の在宅ワークといえば、在宅事務やWEBライターなどあります。しかし、どれも在宅ワークの報酬はかなり低いです。たくさん実績を積んでやっと月収5万円というような世界です。

しかし、翻訳業務は誰でもできる仕事ではないため、必然的に単価も高くなっているようです。例えば英語を日本語に翻訳する場合は1ワードにつき7円〜14円程度といわれます。日本語を英語に翻訳する場合でも1文字4円〜10円程度といわれています。

日本の魅力や海外の情勢などを知ることができる

翻訳の業務で取り扱うのは、書籍だけではありません。例えば、金融やビジネス関連、またはコンピュータや技術関連です。他にも医学や医療などかなり専門的な分野が多いです。

そのため、自然とさまざまな情報に触れる機会が増えます。最新の情報が自然と目に飛び込んでくるため、海外の情勢を把握することができるでしょう。

翻訳バイトのデメリットとは?

翻訳バイトをメインに在宅で稼ごうと考えると知っておくべきこともあります。それは翻訳バイトの難しさ、仕事を獲得するスキルなどです。

翻訳バイトは、英語に関するスキルを要するため単価も高く、海外の情勢にも触れることができるメリットがあります。一方で、翻訳バイトには難しさもあり、デメリットもあります。ハードルや障害となる部分を解説していきます。

最初の案件を得ることが難しい

翻訳の仕事は、フリーランスとして活動している人が多い傾向にあるといわれています。また、文芸に関する翻訳、映像に関する翻訳は経験や実績で判断されます。つまり、新規参入を考えたり案件を取ろうと思っても、表に出てくる前に既に誰かに依頼されている、ということです。

これから翻訳バイトでしっかり稼ごうと考えても、1つ取れたら次の仕事を取るまでに時間がかかる可能性があります。すぐには安定した収入を得ることが難しいといえます。

案件募集が不定期

翻訳に関する案件募集のほとんどが不定期といわれています。

理由としては、仕事の母数が少ないからであるといわれています。本当に定期的に必要としている企業であれば、専属の翻訳家を社員で雇用しているところが多いでしょう。

また、フリーランスで活動する翻訳家が多いという現状を考えると、案件が定期的に上がってくるケースは少ないかもしれません。

高い語学力と専門的な知識が必要な案件が多い

翻訳バイトは単純に英語ができればいいというわけではありません。高いレベルの語学力が求められます。また、翻訳するものに対する知識も重要といわれます。

翻訳バイトを在宅で始めた場合、わからない言葉や知識が出てきたらそのたびに調べる必要があります。知らないジャンルや業種の案件を受けてしまうと、全く進まないまま期限を迎える危険性もあるようです。

ただでさえ、少ない案件ですが、その選び方まで難しいというのが翻訳バイトの現状でしょう。

翻訳バイトをするために必要なスキルの目安

翻訳バイトをしてみたいとは思っても自分がそのレベルなのか判断つきづらいでしょう。また、どんな知識や能力があればいいかも知っておきたいところです。

実際に翻訳バイトをして活動するにはどんなスキルが必要なのでしょう。今回は必要なスキルと目安を紹介します。

専門的な知識と調査力

翻訳バイトの業務には専門的な知識が必要です。これは英語に関する知識ではなくて、訳す内容に関する知識をさします。

クライアントの業種によって取り扱う内容が変わってくるため、その内容ごとに調査し、知識をつけることを求められるといわれます。内容に関する知識を正しく持っていれば微妙な言い回しなども可能です。しかし、この知識や調査力が乏しいと訳したものの意味が読み手に伝わらないことがおきてしまいます。

そのため言語能力、知識、調査力など幅広いスキルが必要といわれるのです。

原文の読解力

日本語、英語どちらにもいえますが、原文を読み解く力がなければ別の言語に置き換えて形にすることは難しいでしょう。翻訳というのは「英語のプロ」という認識より、「言語のプロ」と考えて粘り強く読解していく必要があるようです。

例え、TOEIC900点の英語の能力があったとしても原文を読解できる力がないと翻訳の仕事をこなすのは難しいでしょう。翻訳の仕事を受けてからまずは粘り強く読解していきましょう。

文章を書く能力

もちろん、読み取ったものを別の言語で文章にしていくことが翻訳の仕事です。つまり文章力も求められます。

文章を書く能力というのは、原文から読み取ったニュアンスを正しく文字に起こすということです。つまり、例え時間をかけてリサーチし、読解できたとしても自分自身に文章として表現するスキルがなければ事前に身につけてから仕事に望む必要があるでしょう。

未経験者が在宅の翻訳バイトを始める前にやるべきこと

未経験者が翻訳バイトを在宅で始めようと思うと、準備しておくべきことは多くあります。理由はこれまで説明してきた通り、必要となるスキルが多いからです。

しかし、募集が掲載される以上、獲得のチャンスがゼロというわけではありません。必要なものを準備して応募に向かうといいでしょう。今回は在宅翻訳バイトを始める前にやるべきことを解説します。

翻訳の勉強をする

まずは翻訳の勉強をしましょう。具体的には以下の2通りがあります。

・独学

・翻訳専門の学校で学ぶ

独学もいいですが、より実践的に学ぶのであれば翻訳専門学校で学ぶのが近道と言われています。理由としては、実務翻訳や文芸翻訳、映像翻訳などそれぞれに合わせた講義が受けられるからです。また、卒業できるとなった場合、翻訳関連の仕事を紹介してもらえるチャンスもあるようです。

もちろん、独学でも翻訳バイトで実務を積み重ねることも可能です。

翻訳会社の登録試験を受ける

翻訳会社の登録試験はWEBサイトから応募し、書類審査、トライアル課題を行います。

このトライアルに合格すると、翻訳会社に登録され、在宅翻訳者に仕事が振り分けられるシステムになっているようです。

翻訳会社も複数者あるので、いくつか採用されて、登録しておけば案件を獲得する時間を作業に費やせるので効率的に活動できます。

翻訳スキルを証明できる資格試験を受ける

厳密にいうと、本来翻訳家に必要なスキルはないのですが、翻訳バイトとして実績を提示するために必要な資格があります。

「JTA公認翻訳専門職」というもので、基礎語学力から英日翻訳などの試験を受けます。仕事の募集時には依頼者はこのようなスキルも加味します。実際に企業で翻訳家を募集する際には「JTA公認翻訳専門職」を採用要件にするところもあるようです。

在宅向け翻訳バイトの求人おすすめサイト

在宅で翻訳の仕事ができる方法が分かったら次は翻訳バイトの求人を探しましょう。翻訳会社への登録の際には難易度が高い試験に合格する必要がありますが、比較的簡単な翻訳から始めることができる場合もあります。

以下に在宅向けの翻訳案件求人サイトをご紹介します。

大規模クラウドソーシングサービス【クラウディア】

会員数100万人以上のクラウディアの翻訳案件には、英語翻訳を始め中国語やスペイン語、韓国語、フランス語などざざまな言語の取り扱いがあるようです。難易度やジャンルも幅広く扱っていることが特徴でしょう。

また、基本的にクラウドソーシングサービスは利用の際に手数料が発生しますが、クラウディアの手数料は業界最安値を謳っています。そのだけに他社クラウドソーシングサービスと比べると案件に対する単価が高めという評判です。

世界中の案件が集まる【Gengo】

数万社規模におよぶ世界中の企業がGengoの翻訳サービスを利用しているといわれています。日本語から英語へなどの翻訳ペアリングが70パターン以上あり、扱う言語の多さも特徴的です。

無料登録とアカウントの作成後に試験が行われますが、合格するとすぐに翻訳の仕事を始めることができます。ジャンルはニュースやブログ、電子メールやビジネス資料、Webサイトなど多岐にわたります。

公式サイト

日本発世界中で利用されている【Conyac】

日本から始まったクラウド翻訳サービスのConyacの特徴は登録時の試験がないことでしょう。初心者でもEメールなどの短く簡単な文章の翻訳から始めることができます。

また、スキルアップを目指したい人にはレベルテストを受けることができるシステムがあり、合格すれば高単価の案件を受注することも可能になります。さらに、さまざまなレベルの翻訳者が情報交換できるコミュニティーやジャンルごとに翻訳コンテストがあることも魅力的でしょう。

公式サイト

まとめ

翻訳という仕事は、英語だけわかればいいというものではないといわれます。ここまで解説してきた通り、語学力、読解力、さらには知識が必要です。必要なスキルは語学全般、といってもいいでしょう。

しかし、ハードルが高すぎるわけではありません。独学や専門学校でスキルを学び、必要であれば技能試験をうけて実績を作りながら案件を探すこともできます。案件もサイトだけでなく、翻訳会社の試験を受けて登録するなど、幅広い仕事の獲得方法があります。

翻訳の仕事は必要スキルの内容に伴い、単価もいいとされています。スキルを身につけ、実績を積んでいけばしっかりと稼ぐことができるようです。