株式会社 ビーグローバル代表取締役社長 今 啓亮(こん けいすけ)

1986年生まれ。北海道大学 教育学部卒。

新卒でベンチャー企業勤務を経て、2013年にカンボジアで人材紹介会社を創業。カンボジア人の登録者1.5万人のサービスに成長させ会社譲渡。

2015年に東京で株式会社ビーグローバルを設立し、急成長ベンチャー向けの採用代行をスタート。「理想のサービスと理想の職場を同時実現する」を経営理念とし、創業時より全員フルリモートの組織運営を行う。

月額制の採用代行サービス「まるごと人事」ができるまで

ーーまずは御社の事業内容について教えてください。

「まるごと人事」というサービスを行っていて、月額制(月35万円)でベンチャー企業の採用を代行しています。これまでアウトソーシング領域では、日程調整やスカウト業務のみなど、切り出されたものが多かったのですが、当社では媒体選びから募集文の作成まで、採用の初期段階から実際の日程調整までまるごと支援しています。人事経験者であるマネージャーを中心とした組織で、豊富な採用経験とノウハウが強みです。

ーー学生時代のことから、2015年10月に株式会社ビーグローバルを創業されるまでの出来事についても教えてください。

学生時代に起業家に憧れまして、20才で起業し、家庭教師の仲介事業を始めました。卒業する時にその事業だけだと大きく成功・成長できないと感じ、修行をしようとベンチャー企業に入社し3年半働きました。その企業は入社当時、社員が30人ほどでしたが、3年間で100人ほどに増えたので、企業の成長フェーズを経験できました。

26才の時、その会社での修行が一区切りついて、改めて起業しようとその種を探していたところ、大学時代の先輩がカンボジアで飲食店を開いており、ゴールデンウィークに見に行きました。

実際に現地に行って、ビジネスの可能性があると感じましたね。そこでカンボジアで起業すると決め、一番ニーズがある事業をしようと考えました。そこで人材紹介事業を興すことになり、2年間ほど経営したのです。

その後、自分自身の結婚のタイミングなどが訪れ、カンボジアで事業を続けるよりは日本に帰ろうと考え、帰国して今の会社を作りました。今が6期目です。

ーー「まるごと人事」をスタートしたきっかけについて教えてください。

最初は自分自身が業務委託の人事として企業に入る所からスタートし、月額の業務委託費をいただいていました。それをパッケージ化し、社員を1人増員したところスムーズに業務ができるようになったので、名前をつけてサービスにしたという経緯です。

ーー2019年には社員の方が一気に増えていますが、飛躍のきっかけがあったのでしょうか。

正直、ないんですよね(笑)ずっとこのまま1人で、事業を運営していくのもつまらないと感じました。そこで仲間を増やしたらどうなるかと1人増やしたところ、フルリモートという働き方をとても喜んでくれたのです。それならあと2人くらい雇おうかという気持ちになり増員したところ、またフルリモートという働き方をとても喜んでくれて、という繰り返しですね。

2015年の創業当時からずっとフルリモートだった

ーーフルリモートワークという選択はいつからのことだったのでしょうか。

創業当時からなので、2015年からですね。

ーー創業時からフルリモート勤務でも成立すると考えられていたのでしょうか。

実は、あまり思っていませんでした(笑)子供が半年後に産まれるというタイミングで起業したのですが、出社型で夜遅くまで働くということをそもそもしたくないと思って...仕事もバリバリしながら、家庭の時間も大切にするライフスタイルを実現させる方法として無理やり編み出しました。

ーーリモートワークのまま社員数が増加することで、管理やコミュニケーションの工数が多くなりましたか?

そうでもないですね。あまり変わらない感じがします。出社している方が大変に見えます。

ーー工数が増えないことには何か秘訣があるんでしょうか。

フルリモート勤務で経営できるかできないかというのは「覚悟」だと思っています。一度「フルリモートで経営する」と決めたらそうなっていくのです。
情報共有やマネジメントの仕方も、働き方、仕事のスタイルを含めて全部フルリモート勤務に即した考え方になっていくので、結局は覚悟があるかだと思います。僕自身はフルリモート勤務で今後も経営すると決めているので、あまり大きな問題を感じませんし、出社しなければという思いもありません。その結果、社員はチャットや、ZOOMでのコミュニケーションが少しずつ上手くなっているのではないかと感じています。

ーー情報共有のコツは社内でアドバイスをされていますか?

ノウハウとしてはいくつかあると思いますが、出社しない状況にあるので覚えざるを得ないんですよね(笑)

ーーフルリモート勤務に価値を感じて入社される人が多いのでしょうか。

多いと思いますね。

当社の社員を3つに分けると、1つめはフルリモート勤務に興味を持っている人たちです。例えば、結婚した相手の方には転勤が3年ごとにあり、それを定年まで繰り返すといった事情です。自分のキャリアが築けない状況に陥っているわけですね。入社前までは転勤先でパート勤務を繰り返していて、フルリモート以外の働き方が難しい、という背景です。

2つめは東京以外に住んでいるけど、東京にある企業の仕事をしたい、という人たちです。例えば大学を卒業して一度東京の企業に就職して働いたものの、生活拠点は東京以外が良い、というライフスタイルやこだわりがあります。フルリモートならこのニーズに応えられます。同じフルリモート勤務とはいっても移動し続けたい人と、東京以外に固定した居住地を持って働きたいという2種類の人がいると考えています。

3つめは仕事内容としてベンチャー企業の採用を支援したい人たちです。この人たちは純粋に業務内容や、仕事を通じたやりがい重視で当社を選んでくれていて、マネージャーはこの理由で入社した人が多いと言えるでしょう。この人たちはフルリモート勤務でも出社でも、どちらでも良いという考えです。

ーーノマドワーカーのような働き方を希望される人もいますか?

社員の平均年齢が31才で家庭を持っている人も多く、定住地を決めずに旅をしている人はあまりいませんね。どちらかというと結婚相手の転勤があったり、実家との2拠点生活を送ったりという人が多いですね。実家が函館の社員は、夏は関東で過ごしたくないと実家で過ごし、他の季節は関東にいる、みたいな感じです。

ーー今後も御社の採用では他社の人事の支援をしたい人と、フルリモートで働きながらスキルを伸ばしたい人の2軸で拡大する予定でしょうか。

そもそも採用にあまり興味がない人は、入社後に活躍することは難しいでしょう。ずっと事業として採用は行いますので、もちろん面接では採用についての興味は聞きます。事情がある方向けのフルリモート勤務へのニーズはかなえられると思うので、2軸どちらもありますね。

フルリモートの組織運営は経済的合理性ではなくポリシー

ーー事業をする上でフルリモート勤務でなければよかった...と思う瞬間はありますか?

本音を言うとそれはあります(笑)

案件を受注する時、例えばクライアント様の会社に週3回出社して会議への同席や、社員とのコミュニケーションを取ってくれれば「単価を2倍支払う」といった相談もあります。

また、面接をオフィスに来てやってくれればそれ相応の大きな金額を支払う、と。本来面接以外のサポートが事業内容ですが、やっているとそのような相談も出てくるのです。経営者としては正直もったいないのですが、それを「全部断る」という覚悟が必要ですね。

売上を下げてもフルリモート勤務を守る覚悟で事業をしていますが、なかなかの機会損失です。でも、この選択に迷いはありません。

ーーコロナ禍で初めてリモートワークを導入する企業からの相談はありましたか?

知人の経営者から質問を受けることはありますね。

「どうすればいいですか?」と聞かれても、毎回「いや、覚悟です!」と言い切っています(笑)自分が一度出社しないと決めたら、会社の仕組みがそれについていくので、細かいツールの話などはせずに「経営者の覚悟次第です」で話を終わらせていますね。時には「それでは決められないです」と言われてしまいますが(笑)

ーー社員数が1000人以上など増えた時のことも見据えていると思います。その際にもフルリモート勤務の方針は変わらないのでしょうか。

もちろんです。

ーーその場合、現状からシフトチェンジする面は何かありますか。

いま社員数は50人弱ですが、フルリモート勤務の文脈で変わることはありませんね。組織拡大において、考えるべきことを考えるだけだと思います。

たとえば、ティール組織など組織の形態はさまざまにありますが、自分たちは一般的な組織だと思っています。ポイントは、この組織の階層をきちんと作ることができるか、ということだけです。100人になれば当然、中間管理者職が必要になるでしょう。ただし、それがフルリモート勤務だからどうかというのは、あまり関係ありません。

ーーフルリモート勤務であるかどうかにかかわらず、ピラミッド型の組織を作っていく、ということでしょうか。

はい。管理をせずティール組織のように全員横並びでやっていくというのは、教育ができない、統制が取れない、情報共有ができないといった問題点があると思っているのです。

特に正社員を採用して経営しているからこそ、情報を流す仕組みがきれいにできていたり、教育ができたりします。またそれをサポートできる体制も必要だと思っているので、フルリモート勤務であろうとピラミッド型の組織となります。これを今後もしっかり作っていこうと思っていますね。

ーー世の中全体でもリモートワーク移行の流れが生まれていますが、今社長ご自身もこの流れを望んでいますか?

あまり気にしていません。

リモートワークという選択肢には、それなりの機会損失もあり、売上が下がるかもしれないからです。それでもやるということは、もうポリシーの話ではないでしょうか。その点、自分自身は「全員フルリモートの組織で経営する」というポリシーでこの選択をしていますが、多くの人がこのポリシーのもと、リモートワークをやった方が良いかというと、あまりそうは思いません。

このポリシーで経営をする人が増えれば、フルリモート勤務ができる企業が増え、働きやすくはなります。しかし経営者の立場でどちらの方がメリットがあるかと言えば、出社勤務の方が売上は上がるのではないかと思います。経営者も、あまり覚悟を決められないでしょう。

ーー最後に御社の人材募集についてお伺いします。スーパーバイザー職の募集をされるということですが、どういった経験をお持ちの方が御社には合っていますか。

一番は人事経験者の方で、入社後はクライアント様の採用を支援してもらいます。リモート人事として自立的に働ける方というのが、求めているターゲットです。次は人材業界経験者の方も相性が良いと思います。最後がベンチャー企業でさまざまな仕事をこなしていた人です。当社のクライアント様は急成長中のベンチャー企業のため、そのスピード感や、ニーズをキャッチアップすることになるので。ベンチャーの知識を持っていれば後は採用についての知識は教えられます。

ーー求める人物像はございますか。

自立しているということです。「見られているから働く」「指示されたことをやる」という人の場合、リモートワークではほぼ自宅待機のような状態となります。自分から進んで業務を進められ人や、わからないことは自分で検索して進められる人が向いていると思います。

ーーリモートワークでの生産性向上において、自立していることはとても重要なことですね。本日は、お時間をいただきありがとうございました。

取材は2021年4月21日、ZOOMにて

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